<インタビュー> 芍薬を知る 鈴木健市さん

魚沼という産地に根ついてきた芍薬という花とは?


私が加盟させて頂いている魚沼花き園芸組合は昭和23年に創立されました。

戦後食糧難の時代に、この雪国で花を育てようという若い連中を花キチガイだと皆は呼んでそうです。創立当時の栽培する花にすでに芍薬が入っていました。

雪の中で株を守り、いち早く雪深い魚沼で花を一気に咲かせる。今では当たり前のようになったことが当時どれほどのことだったのか。。。またその豪快に咲く芍薬が閉鎖された雪国にどれだけ光を与えてくれただろうか?想像するだけで今でもドキドキします。

あれから何十年、魚沼の地で芍薬は花を毎年 咲かせ続けてくれています。

芍薬ってどんな風に育っているのか?


芍薬は宿根草。名前の通りに根を土に宿して育つ花。株でその花を育ています。
その花が咲くのは年に一回だけ。3年もかけて土の中で小さな株を大きく太らせてようやく花を開かせます。
時間、手間、環境が育ててくれるのが 芍薬と言う花です。

ぼくが芍薬を作ろうとなぜ思ったのか?


産地にその花が根付く。僕も生産者になった20歳の時には儲かる花はどれか?って色々考えました。その中で、芍薬に携わってきた人たちをどんどん知ることになる。滝の粧、滝沢赤を育種した滝沢久寛氏。かぐや姫 白雪姫、ゆきあかり、朱鷺姿を育種した滝沢達雄氏。株を育成し農家として育て種苗販売に繋げていった山喜農園。全て魚沼の人たち。芍薬の育種なんかは気が遠くなるほどの年数がかかる。そんな話を知り感じ、とてつもない大きな浪漫を感じました。

ぼくは芍薬と言う花がなぜ好きか?


イメージしてみてください。山ほど積もった一面の雪がどんどん消えて畑の土がようやく見えてくる。

魚沼に春が来ると同時に芍薬がぐんぐんと育つ。

その丸い蕾が花を一気に開かせるとき、魚沼は蒸し暑い時期を迎えます。





魚沼に初夏を連れてくる花。

丸い蕾からは数えきれないほどの薄い花びらが溢れるほどに開いて来る。

産地の季節を伝える、年に一回しか咲かない芍薬、あの豪快な花。

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