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街のお花屋さんには春のお花が出揃い、一年で一番お花が充実している季節になりました。
そして2月も後半になってくると、桜がたくさん店頭に並ぶようになります。
私たち日本人は、桜を見るとどこか懐かしさを感じるというか、ほっとした気持ちになりますよね。
毎年のお花見を楽しみにしていらっしゃる方も多いでしょう。
ところでこのお花見ですが、古くは桜ではなく梅が主役だったというのをご存じですか…?
実は奈良時代には、皇族や貴族たちは遣唐使によって伝来した梅を愛で花見をして楽しみ、桜は花を楽しむというよりは信仰の対象という位置づけだったようです。
当時の人たちにとっては、海の向こうからもたらされた梅を手に入れることは、ある種のステータスだったのでしょうね。
しかし平安時代に入り遣唐使が廃止されると、人々の関心は自然と日本古来のものに向き、桜が注目されるようになります。
この頃、嵯峨天皇が桜を取り寄せて庭に植え宴(うたげ)を催したのが、日本で最初のお花見とされています。
こうして梅と桜の人気は逆転し、江戸時代までには庶民の間でも広く桜のお花見の習慣が根付いていったのですね。
そんな桜ですが、みなさんがお花屋さんで切り花として買われる桜の多くは、啓翁桜(けいおうざくら)という品種です。
私たちが公園でレジャーシートを広げてお花見を楽しむのは、4月上旬から5月にかけてですね。
それなのになぜ、切り花はまだ寒い季節から手に入れることができるのか、不思議に思いませんか?
啓翁桜は、支那桜桃(しなおうとう)と彼岸桜(ひがんざくら)を交配して作られた桜で、江戸城に生花を納めていた花屋が、冬に咲かせる手法を編み出したと言われているそうです。
桜は通常、秋になって気温が下がると休眠します。
厳しい冬の低温期を一定期間経験させてから、枝を切り出して温室に入れて一気に加温することで、桜は「春が来た!!」と勘違いして花を咲かせるのです。
この温度管理を人工的に行う栽培方法を「促成栽培」と呼び、山形県は全国的にも有名です。
<画像提供:全国農業協同組合連合会山形県本部>
この処理の温度や湿度、加温期間なども細かく調整されています。
桜は、木から枝を切り落として、そのまま出荷されているわけではないのですね。
私たちが普段見ることのない生産者さんによるプロのお仕事です。
今回、よいはなでは山形県のJA庄内みどりから、啓翁桜をみなさまのもとへお届けいたします!
たくさんの花芽が付いている啓翁桜、せっかくなら最後までちゃんとお花を咲かせてあげたいですよね?!
ご自宅に届いた後お水に入れるだけでは、最後まで咲ききらない場合もあります。
効果的なポイントは3つ。
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お水は多めに。
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太い枝は、斜めに切って、さらにハサミで縦に十文字に割れ目を入れる。
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乾燥を嫌うので、エアコンの風が当たるところを避け、こまめに霧吹きをかける。
切り口を割ると吸水面が大きくなり水の吸い上げが良くなります。
霧吹きでこまめに水をスプレーして補水すると効果的です。
一番重要なのは3です。
つぼみが乾燥しないよう飾る場所に注意しましょう。
お届けの際に同封している、栄養剤を入れてあげるのも効果的です。
先ほど紹介したように、温度が上がると「春だ!!」と反応してお花が咲きやすくなるので、じっくり楽しみたい場合には、0度を下回らない範囲で涼しい部屋で管理すると良いでしょう。
ぜひ、ご自宅でのお花見をお楽しみください♪
By よいはなフラワーデザイナー Nao