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9月に入り、今年もあっという間に3分の2が通り過ぎてしまいました。
つい先日までは「早く涼しくならないかなー」と愚痴をこぼしていたのに、いざ秋の気配を感じると急に焦ってしまいます・・・。
さて、今の時期に花市場で元気いっぱいに目立っているのが、菊(マム)たちです。
9月は菊が大活躍の月です。というのも9月9日は重陽の節句、そして翌日の10日は十五夜と、菊が主役のイベントが続くからです。
五節句については、その季節にまつわる植物の名前で呼ばれることが多いですね。
「七草の節句」「桃の節句」「菖蒲の節句」「笹の節句」そして、「重陽の節句」である「菊の節句」です。
まだ暑い日が多い9月なのに菊の名がつくのは、旧暦9月9日は今の10月中旬にあたるからなのです。
実は、重陽の節句には「後の雛(のちのひな)」という風習があり、桃の節句で飾った雛人形を重陽の節句でも飾り、健康や長寿、厄除けを願う地域があるそうです。
飾るのは菊の花ですから、大人に愛される花ということで「大人の雛祭り」と言われるそうですよ。
また十五夜は、コロっとした白や黄色のピンポンマムを満月に見立てて飾ることが多いですね。
ご家庭のお庭では、菊が咲いてくるのはこれからといった感じですが、お花の生産者さんはこの重陽の節句や十五夜のタイミングに合わせて、たくさんの種類の菊を栽培されていらっしゃいます。
かつて日本では、中国から伝来した菊の観賞が大流行し、家紋のデザインに選ぶことがステイタスになった時代もあったそうです。
戦後になってからは、菊の大量生産技術の進歩によって、長持ちする菊が葬儀のお花として定着するようになったのですが、それ以前は菊は華やかで特別な花という位置づけだったのですね。
今回皆さまには、重陽の節句と十五夜にちなみ、夜空に浮かぶ満月をイメージした優しい色合いのマム「オペラベージュ」などをお届けしています。
<セイオペラベージュ>
よく見かけるイエローのピンポンマムと比べると、ふんわりとボリュームがあってソフトな印象ですね。
こういったおしゃれな品種は、結婚式の会場装花や髪飾りなどでも大人気です♪
そして、十五夜に欠かせないススキもお届けしています。
秋の七草に数えられるススキは、秋の到来を演出するとっておきのアイテムです。地域によっては、魔除けの意味を込めて玄関に飾るところもあるそうですよ。
<ススキ>
風にゆらゆらと揺れる姿は、とても日本的で風情がありますよね!
元気なススキは葉っぱも固くナイフのように鋭いため、扱いには注意が必要です。かくいう私も、お花をまとめている際に指を切ってしまいました(;'∀')
なるほど、魔除けとして使われるのも頷けますね!
みなさまにお届けしているものは固い葉は切り落としておりますが、もしも葉が混ざっていた際には、手を切らないように注意してくださいね。
そして、同じく旬を迎えているリコリスもお届けしています。
リコリスは見ての通りヒガンバナ科のお花で、反り返って咲く姿が可愛らしいですね。とっても素朴で、トンボがとまりに来そうです。
菊のような丸いお花と一緒に飾ると、よりお花の個性が引き立って素敵なコーディネートになります。
<リコリスオーレア>
今回お届けしている品種「オーレア」は、ラテン語で「金色」を意味します。よく見ると花びらに光沢もあり、なんだかとっても縁起が良さそうですね!
ところで、ヒガンバナ科のお花には毒があり、触ったら危険だと誤解されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
たしかに毒はあるのですが、口にしなければ大丈夫です。
ちなみに特に毒が強いのは球根の部分で、土葬が一般的だった昔、墓地を小動物に荒らされないようにヒガンバナを植えて、お墓を守っていたのだそうですよ。先人の知恵の一つですね。
というわけで、今週お届けしたお花たちはこちら。
・デスパッドマム セイオペラベージュ JA信州諏訪(長野県諏訪市) ・デスパッドマム チスパorロサーノシャルロッテ マレーシア ・ススキ JA常陸(茨城県大宮地区) ・リンドウ マイファンタジー JA秋田しんせい(秋田県由利本荘市) ・リコリス オーレア 藤田兼男(東京都大島町) ・ワレモコウ 千の風 JAやまがた(山形県山辺町)
みなさまのご自宅でのコーディネート、Instagramでの投稿お待ちしております♪
#よいはな #yoihana @yoihana_flower
そして次回の定期便は・・・・「コスモスの日」をテーマにお届けする予定です。
ぜひ、お楽しみに♪
by よいはなフラワーデザイナーNao