「おめでとう」を伝える 門出のお花
3月から4月にかけて卒業や卒園、そして入学や入社など、門出の季節がやってきます。春は、日本人にとって特別な季節ですね。
新しい旅立ちへの決意を胸に込めて頑張っている仲間へ、お花を贈りたいと思う機会も増えるのではないでしょうか?
今回は、そんな時におすすめのお花やフラワーギフトをフローリスト目線でご紹介いたします。
「おめでとう」を伝える 門出ギフトに人気のお花
◇桜
日本人にとって、門出の季節に欠かせない桜。卒業式で桜をもらったという方も多いのではないでしょうか?
自然の中では春に花を咲かせるのに、なぜか切り花ではすでにお正月から出回っていますよね。
大木のためハウスの中で育てることが出来ない桜ですが、年明けからの流通を可能にする鍵は、東北地方の気候にあります。
特に、啓翁桜の産地として有名なのが山形県。ここでは秋の訪れが早く、桜も早い時期から休眠状態に入ることから、桜を早くに目覚めさせることができます。
目覚めた枝を切り落し長さを揃えた後、温室でつぼみを膨らませることによって、出荷のタイミングを他の地域よりも早めることが出来るのです。
桜ならではの開花調整技術によって、1月から桜を楽しむことが出来るのですね。
そんな桜の花言葉は、「精神の美」「優美な女性」とギフトにぴったり。桜の優しい色に合わせて他の花をコーディネートすれば、早春の爽やかなアレンジメントが出来上がります。
そして、桜を長く楽しむおすすめポイントは、花びらが散った後も、水の入った花瓶にいれておくこと。少しすると新芽が出てきて、葉桜を楽しむことが出来ますよ。
桜の生命力を感じて、元気をもらいたいですね。
◇チューリップ
チューリップも、老若男女問わず愛されるお花です。色のバリエーションが豊富で、どの春のお花とも相性が良いのが嬉しいですね。
チューリップの花言葉は「博愛」「思いやり」など。こちらも門出を迎える方へのギフトにぴったりのお花です。
お花屋さんで買う時は、すっと真っ直ぐ伸びていることが多いチューリップですが、自宅に飾っていると思いもよらない方向に曲がっていて、驚くこともあるかもしれません。
チューリップは切った後も成長を続けて、自由に動く性質があるのですが、それがチューリップを飾る楽しみでもあります。
そのため、品種にはよりますが白やピンク、黄色やオレンジといったチューリップでも、まだ緑色のつぼみに近い状態のものを選んだ方が、ご自宅でより長く楽しむことが出来ますよ。
◇スイートピー
スイートピーの花言葉は「門出」「優しい思い出」など。まさに、今の時期に最適なお花ですね。春の日差しのように柔らかい質感の花びらを持ち、カラーバリエーションも非常に豊富なため、4月上旬にかけては特に欠かせないお花のひとつです。
また、チューリップやガーベラ、ラナンキュラスといった春の花と相性抜群の名脇役で、花束に数本入れるだけでふんわりと優しい雰囲気を出すことができます。
スイートピーといえばその豊かな香りも人気の秘密ですが、実はその香りはバラのような女性的な香り、柑橘系の香り、そして爽やかなグリーンの香りの3種類に分類されるそう。
バラのように、それぞれの香りの違いを探ってみたいですね。
◇ラナンキュラス
ラナンキュラスは、ティッシュのように柔らかい花びらが幾重にも重なり、コロンと丸いフォルムで咲くのがとっても可愛らしい春の花です。
こちらも沢山の色が出回っているため、コーディネートは自由自在です。
出回っている品種の多くはお花の直径が4~5センチですが、中にはなんと13センチほどになるものも!毎年のように新しい品種が登場し、ここ数年は変わり咲きの品種も大人気です。
こちらは近年大流行中の、ラナンキュラスの「ラックス」シリーズを使用したブーケ。ラックスは、乙女心をくすぐるお花の形と、ワックスをかけたように艶めいた花びらが特徴です。
珍しい品種のお花は、流行が敏感なお花が大好きなあの人に差し上げたくなりますね。
贈る相手によってフラワーギフトのスタイルを選ぼう
◇花束・ブーケ
卒業する先輩や、転勤される上司へのプレゼントといえば、やっぱり花束やブーケタイプが定番!
贈る相手が女性であったり、結婚している男性の場合は自宅に花瓶を持っていることが多いため、花束やブーケスタイルのギフトがおすすめです。
またお花が好きな女性は、頂いた花束を解き、いくつかの花瓶に合わせてお花を分けて楽しむこともあります。お気に入りの花瓶に合わせて長さを変えたりできるのは、花束タイプならではの楽しみ方です。
◇アレンジメント
バスケットやプラスチック容器などにお水を吸わせたスポンジをセットし、そこにお花を生けてあるのがアレンジメントです。
アレンジメントの利点は、そのまま飾れるため花瓶が必要ないことと、水替えの手間がかからないことです。
自宅に花瓶が無さそうな独身の男性や、多忙で水替えをするのが手間になりそうな方には、アレンジメントが良いかもしれません。
また、お花を飾ることに慣れていない場合は、花束をもらってもどう飾っていいか困ってしまうかもしれません。そんな時は、そのまま置くだけのアレンジメント喜ばれるでしょう。
いずれも相場は3,000円から8,000円程度ですが、贈る相手との関係性や、渡した後に持ち帰っていただくことなどを考慮して大きさを選びたいですね。
最後に・・・・
多くの人が門出の時を迎える春。大切な時を共に過ごした仲間との出会いや別れのシーンを思い出すとき、桜やチューリップの花束を受けとった記憶が脳裏に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
大切な節目の時に欠かせない春の花は、贈る人と贈られる人の想いを繋ぐ架け橋です。
心温まる一生の思い出になるように、相手を想った花選びをしたいですね。